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皆さん、こんにちは。
いよいよ16期生の説明会シーズンも始まる時期となりましたが、私は相変わらずプロデュース仕事が多い日々です。
年齢的なものか、経験値と続けてきた期間による信頼(?)なのかはわかりませんが、とにかくレコーディング現場を仕切ることは毎回とてもエキサイティングな経験です。
今回は直近の現場での写真を拝借。
メジャーデビューから10数年のベテランバンドさんをまるごとブッキングしたレコーディングです。
何十年もずっと同じメンバーで音楽をやり続けてきた方々ですので、ジャムセッションする中で楽曲を咀嚼してもらうほうが下手に指示を出すよりも楽曲の完成度が高まると踏んで、レコーディング前にリハスタにて2h程リハをしました。
スタジオミュージシャンをブッキングする現場ではやることのないイレギュラーな作戦でしたが、今回の案件が持つ特色をいくつか並べて考えてみると自然と辿り着く結論でもあるはずです。
レコーディング現場は1つとして同じものはありません。
楽曲の方向性、ミュージシャン達、スタジオ、エンジニア、マネージメント、予算、納期、求められるクオリティ、何もかもが毎回異なります。
単に最高の作品にすればいい、という簡単なものではなく、全てに制約のある中で見つけ出さなければならない最適解があります。
それこそが最も重圧を感じるところでもあり、最大のやりがいでもあります。
これ、作曲やDTMにおいても全く同じことが言えます。
例えば過去の楽曲でかっこよく作れたサウンドをそのまま他の楽曲でも使っていたりすることはありませんか?
ある曲においてかっこよく鳴っているサウンドプリセットやプラグインの数値は、あくまでもその楽曲においてだけの話です。
楽曲が違えば全ての周波数構成は必ず変わります。
つまりかつての制作した楽曲で成功したかっこいいサウンドを、仮に他曲のオケ中で全く同じように聞かせたかったとしても、それぞれの数値や分量は絶対に変わるわけで、過去のプリセットやプラグイン数値をそのまま入力しても決して同じ鳴りにはならないということです。
競馬の騎手が地面から常に同じ高さに体を推移させられるのは、常に上下する馬の動きに合わせて自らも動いているからこそ、同じ高さに留まっているように見えることと似ていますね。
本校の指導方針で特に重視する部分は、どのような曲の作曲においても毎回必ずその楽曲が求める方向性を深く掘り下げ考えてから作り出しているのかという点です。
無策でDAWを立ち上げ、とりあえず作り出すという行為は、時として理想の完成形から大幅にずれてしまう結果となります。
この悪い癖が一旦ついてしまうと、どんなに高い作曲とDTMの技術があっても、仕事として作曲を発注される環境からは遠ざかってしまいます。
どうすれば当初のイメージからブレることなく楽曲を制作できるのか、こういったことに関しても説明会では明日からすぐに使える知識として余すところなくお伝えしています。
何故その時その判断を下しそのような指示を出したのか、というところもとことん掘り下げ、教科書を唱えるだけで発信できる現場経験のないレッスンプロでは決して教えることのできない、どんな状況でも自分自身の力で最適解を導き出す音楽家の育成を更に促進していきます。
そして、最近準備に1年以上かけたあるメジャーレーベルとの案件が遂に動き出しました。
動き出したというのは、つまりメジャーデビューが決定したということです。
そして楽曲コンペも開催され、沢山集められ楽曲の中からただいま鋭意選考中となっています。
つまり普段は作曲家としてコンペに参加する立場の私が、コンペを開催し楽曲を選ぶ立場になったということです。
結構とんでもないこと出来事ですね。
ここまで漕ぎつける道程は中々に大変でした。
元々音楽業界のみならず芸能界などからも注目されてた案件ということもあり、どこのレコード会社さんかプロダクションさんと組むかということが重要でした。
しかし、そうすんなりといくものではなく、大元のマネジメントサイドの理解を深めたり、関係者全員の意識や方向性の調整など、人間関係や信頼関係の蓄積や様々な交通整理に約1年を要しました。
既に作曲家を志す人や、採用率を上げたい人が本当に知りたいであろう垂涎の真実を沢山目の当たりにしています。
こちらの案件に関してはリリースした後に、普段はコンペに参加する側がコンペを開催する側に回った体験記として、作曲に携わる人達が本当に知りたかったであろう詳細な内容を共有するつもりです。
コンペには開催する側と参加する側とが当然あるわけですが、片方の立場だけでは見えてこないことや、作曲家でないと伝えようのない非常に専門性の高い気付きやリアルな実像など、総括して伝えることができるのは恐らく私しかいないでしょうから、この案件の成功だけでなくそういった意味でも楽しみでとてもワクワクする昨今です。
最近はコンペで結果を残したり、採用まではされずとも楽曲が決勝選考まで辿り着いた卒業生が沢山おりますが、まずは日々必死に頑張っている彼らにより有利により採用率を高めるための情報をシェアしていきたいですね。
と言っても常日頃授業において口酸っぱく言い続けていることはやはり正しかったのだということに尽きるのですが。
そして作曲とDTMの技術がある程度のレベルに達しているのにも関わらず採用率の低さに悩んでいる人は、説明会に楽曲をお持ちになってもらえれば何が原因で採用から遠ざかっているのかをじっくり解説させてもらいます。
何歳になっても毎日少しずつ成長させてもらえる環境にあるということは大変貴重で有難いことですね。
今後も常に現役であることに重きを置き、その時代ごとのリアルな音楽シーンを伝えるために邁進していきます。
色々見て回ってきた方、是非最後に本校へおいでください。
恐らく、他校で言われることと全然違うばかりで驚くことかと思います。
何故ならそれは日々現場の中で培われている本当のリアルだから、ということですね。
それでは!