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先日、卒業生を対象としたボーカルエディット講座が開催されました。
ボーカルエディットとは現代の歌モノ楽曲においては必要不可欠な作業で、
ミキシングの前に施しておかなければならない作業です。
現代では歌の上手い下手に関係なく、
オケやトラックにマッチさせるためプロの現場では大なり小なり必須の作業で、
主に録り音のピッチとタイミングを修正することを指します。
本校ではレコード会社やプロダクションから常に楽曲コンペを頂いており、
もし採用されれば一躍大きな結果を残せるような大きな案件も多々あり、
その数は週に何本も届くほどで
希望する卒業生を対象に配信しております。
(在学中は授業に専念してもらうため基本的に配信はしません)
その結果コンペに採用される生徒も日々増えており、
校長がもう何も言えないというレベルの楽曲を作り上げる卒業生も1人や2人ではありません。
そんな中、もう少しで戦えるレベルになりそうな卒業生達に大体共通しているのが、
録音したボーカル処理の甘さ!
トラックメイキングや和声についてはメジャーでも十分戦えるスキルがついてきたにも関わらず、
この部分で楽曲を台無しにしている生徒がちらほら目に付いてきたこともあり、
今回の講座を開講することとなりました。
今回の講座ではCubaseに付属のVari Audioを使用。
基本的な考え方や性能は踏襲できると考え、現場で最も使用されているMelodyneはシェア数の問題により外すことに。
というよりもVari Audioだけで殆ど十分なくらいの処理ができてしまうことと、
リージョンをダブルクリックすればすぐに利用できる点など、
とにかく最速で仕上げるための工夫が随所に盛り込まれているため
講座を担当した校長も普段からよく利用しています。
講座の主な内容は、
・何故高い歌唱力があっても殆どのプロの現場でVo Editが必要とされるのか
・トッププロ達の現場はどのレベルまで細部に拘ってVo Editをしているのか
・Vo EditとMIXの境目
・Cubase付属Vari Audioを使ったピッチエディットとタイミングエディット
・グルーヴを作り出すエディット
・最上位ピッチ編集ソフト「Melodyne」を使うとどこまで何が出来るのか
・Voレコーディングにおけるアナログコンプの絶対的優位性とコンプの掛け録りについて
・Vo Editを見越したVoディレクション
・EditしたVoをオケにMIX
・オケ中で聞こえてこないは殆どReverbやDelayを施す理由と必然性
などなど、頑張って楽曲を作り続けている人達がそこが一番知りたい!というような内容となりました。
今回生贄となったのは卒業生M君とI君の楽曲。
どちらとも曲は良いのにボーカル処理のクオリティのせいで楽曲が数ランク聞きづらいものとなってしまいました。
単にピッチを上げ下げするだけではなく、
ロングトーンと短いパッセージでの処理の違いや、
自然に聞こえるギリギリまで追い込むための秘策、
VoEditを見越してより短時間で集中してレコーディングを終わらせるディレクション方法、
簡単にかっこよくケロらせる極端な使い方まで。
非常に実践的なエディットを披露!
混同されがちな問題として、
録り音がまともでないと後から処理をしてもどうにもならないということも併せてレクチャー。
未だ世界中の現場で使用されるアウトボード類は、
何故このDTM全盛時代にさえ生き残っているのか、
目の前にプラグインの実機があるので音の違いも非常によくわかります。
デジタルの技術的な限界によりどうしてもこの部分は乗り越えられず、
デジタルとアナログ機材との両者の利点を上手く乗りこなしていくためには、
聞き比べという実体験に勝るものはありません。
実際宅録している人には痛いほどよくわかる内容で、
安くて即戦力なお勧めの機材なども紹介!
そして直接ボーカルエディットとは関係ありませんが、
オマケでエディットしたボーカルデータをオケとミキシングも!
レコーディングスタジオでMIXをした経験があればすぐにわかるのですが、
プレイバックを止めた途端ボーカルに深いリバーブとディレイがふんだんに載っていることが多々あります。
素人臭がせず製品感が漂ってくるボーカルMIXの奥義がこの部分にあるため、
どのようなセッティングでどういったマインドで処理をするのかを解説。
その後たっぷりと質疑応答を経て講座終了!
今後生徒達の提出曲がどう進化するのか非常に楽しみです!
ということで本日は閉店終了~、ではなくここから忘年会突入!
今回はこんなオードブルを注文してみました~。
みんな揃って乾杯!
1期生~新13期生まで勢揃いで2016年を振り返ります!
遠方から講座と飲み会のためだけに来校してくれた人達や、
最近作った自作曲をスピーカージャックして聞かせ合ったり、
お互いの足りない部分を補い合うべく
歌唱やトラックメイキングや楽器演奏などを頼み合ったり、
今後の活動方針について皆からアドバイスを求めたり、
今回も色々な交流が深められた有意義な飲み会となりました!
(朝までコースの人達もいたそうです!)
ということで2016年最後の集まりも楽しく楽しく終了しました!
また来年も沢山曲を作り沢山集まってより良い1年にしていきましょう!
東京DTM作曲音楽学校 事務局